1960年に福岡市にて(有)九州電化工業所を設立。福岡市は商業の街であることから、創業当初は百貨店やブランドショップなど装飾目的のめっき加工を中心に事業を手掛ける。1970年代に入ると、北部九州に自動車や半導体関連産業の加工組み立て業種が集積するようになったことから、両産業分野へ本格的に参入するため、工場を拡張し。亜鉛、銀、ニッケルをはじめ豊富な種類のめっき加工を施すようになる。さらに、工程の自動化や大型製品のめっき加工にも対応し、高品質な量産加工を実現することで着実に業績を拡大。現在はロボットや半導体の大手メーカーも含めて約700社と取引を行っている。
大手メーカーとの取引が拡大する中で開発の相談を受ける機会が増えてきたため技術開発部を設置し、1992年には研究開発棟を新築するなど研究開発にも注力。2005年には重粒子線がん治療装置の主要な部品である線形加速器のめっき加工を受注し、医療機器分野へも進出。国内に5カ所ある全ての重粒子線がん治療センターにおいて当社のめっき技術が採用されている。また、近年では液化水素運搬船のタンク部材のめっきを受注。パイロット試験の成功に寄与。
一方では、従来品である装飾めっきにおいて、クルーズトレイン「ななつ星in九州」の内装品や「JR KYUSHU SWEET TRAIN／『或る列車』」等列車の内外装品への金めっきも手掛け、2017年には地域未来牽引企業に選定。