大学では情報工学部に所属してシステムエンジニアを目指していたのですが、就職活動中に視野を広げていくうちに機械設計という仕事があることを知り興味を持ちました。「旭国際テクネイオン」に勤める大学OBの方と出会い、工場を見学させてもらい、話を聞いているうちに半導体産業という最先端の技術に関われる点や、身近なところに使われている半導体に携ることで世の中に貢献できるのではないかと思うようになり、挑戦してみたいと思いを強くしたことがきっかけです。
私が勤務する真空機器工場では、半導体製造の工程に欠かせない真空装置の製造を行っています。半導体製造装置メーカーから装置一式を受注し、半導体製造装置メーカーや半導体製造工場に納入することが主な仕事です。私は、真空空間を作りだす「真空チャンバー」と呼ばれる装置の設計を行っており、3DCADを用いて装置のレイアウトや、そこに使用する一つ一つの部品まで設計を行っています。入社2年目ですが、ユニット単位の部品設計から段階を踏んで、現在では、小さい装置の全体の設計を任せてもらえるようになり、やりがいを感じています。
担当した真空装置の立ち上げ作業に立ち会ったことが印象に残っています。受注した機器を納入する時は、基本的に組立部署の社員が据え付け作業を行うのですが、私が初めて全体を手がけた機器ということもあり、設計者として立ち会わせてもらいました。無事に作動し、製品として世に出たことを自分の目で確認した時には、安堵と同時に達成感を感じることができました。
私が所属している部署には若手社員が多く、わからないことがあった時も、年の近い先輩に気兼ねなく質問できるので、知識を得たり設計技術を向上させるためにとてもいい環境だと思います。また、入社1年目は先輩社員が指導やフォローをしてくれる「ブラザー制度」があり、設計についてはもちろん、会社のルールやシステムについてもいろいろと教えてもらいました。今でもなんでも相談できるいい先輩です。また、会社全体として社員がやりたいことを発言しやすい雰囲気があり、その意見を尊重してくれるところも魅力だと思います。
設計と組立の部門が同じ敷地内にあることに魅力を感じます。設計で悩んだ時には、すぐに製造現場を見に行くことができますし、組立部門からの要望やフィードバックをすぐにもらうことができ、技術の成長に繋がっています。この環境の中で更に技術を磨き、規模が大きく複雑な装置も担当できるような技術者になることが当面の目標です。そして機械設計に加えて電気設計の知識も身に付け、装置のシステムを幅広く知ることによって、設計の引き出しを増やしていきたいです。
私のように大学の専攻と異なる分野でも、やる気があれば会社に入って必要な技術を身に付けることができます。特に、ものづくりが好きな人には適した分野ではないでしょうか。自分の将来や進路選択は迷うと思いますが、がんばった分だけいい未来が待っていると思います。このインタビューを読んで少しでも半導体分野に興味をもってもらえたらうれしいです。
※掲載情報は取材当時(2024年11月時点)のものです